今皆さんには好きな人(気になっている人)がいますか?高校生にとっては、勉強や部活より重大な関心事かもしれない。どうしたらあの子(あの人)と仲良くなれるか、もっとあの子(あの人)のことが知りたい。もっと自分のことをわかってほしい、知ってほしい、いつも一緒にいたいと思うのは「恋」をしている証拠。素直に自分の気持ちを伝えることが大切だ。

 ただ現実には「恋」は実らないことも多い。うまくいっていたのに「破局」という悲しい結末を迎えることもある。まさに「出会った頃はこんな日が来るとは思わなかった(杏里『オリビアを聴きながら』)」である。自分の経験から言うと、相手に多くのことを求めすぎると、何で自分を理解してくれないのかとか、自分が思っていた(考えていた)人とは違うとなって、相手を責め、自分を責めてしまい、辛くなってしまうのだ。

 では「恋」が成就するにはどうしたらよいのか。思うに、相手に何かを求めるのではなく、相手に何かを与えることではないか。何かとは言葉で表現するのは難しいが、真心とか愛情といったものか。肝心なのは、求めることから与えることにシフトさせることだと私は思っている。「恋」と「愛」の違いはまさにここにあるのではないか。

 相手の存在そのものが自分を幸せにし、相手のことがいとおしくてたまらない。そばにいても離れていても、いつも相手のことを思いやり、相手のために自分には何ができるか考え行動できるとすれば、それは「愛」にほかならない。「あなたがいることで どんな明日でも歩いていける(Uru)」、そんな相手をぜひ見つけてほしい。

 今回は柄にも無く、恋愛について書いてみたが、実は勉強についても同じことが言える。初めから頭のいい人や勉強ができる人がいる訳ではない。好きになるきっかけがあり、もっと知りたいという気持ちになれば、誰でも勉強するようになるのだ。そして自ら学んだことは生涯にわたって自身の大切な財産となる。きっかけを与えること(生徒の心に火をつけること)、これは私たち教員の最も大切な仕事なのかもしれない。