6月6日(火)は本校の創校記念日だった。1950(昭和25)年に福野高校平分校としてここ五箇山の地に誕生し、今年で73歳を迎えた。長い歴史の中で定時制から全日制へ移行し、校名も3度かわり、2010(平成22)年に現在の南砺平高校となった。これまで2,437名の卒業生が本校を巣立ち、県内でジャズシンガーとして活躍しているchiko(チコ)さんや、昨年北京冬季五輪に出場した山下陽暉選手も本校の卒業生だ。

 創校記念式の式辞では、本校は小規模校ではあるが、五箇山という豊かな自然や伝統文化、さらには世界遺産という素晴らしい環境にあって、地域の方々の応援や協力をいただきながらこれまで教育活動を展開してきたこと、そして生徒には、本校が地域の方々にとって誇りとなるよう日々の勉学や部活動などに取り組み、皆さん自身が新たな南砺平高校の歴史を切り拓いていってもらいたいと述べた。

 式の後、記念講演会が開催され、この地域の方々にはお馴染みのカメラマン・奈雲誠(なぐも まこと)さんに『写真で綴る五箇山の魅力』と題してご講演をいただいた。奈雲さんは、これまでに200回近く五箇山を訪れ、合掌集落を中心とした四季折々の風景や、そこに暮らす人々の生活の様子を写真に収めてこられた。当日は、その中から選りすぐりの写真をスライドにして見せていただいた。奈雲さんを惹きつけてやまない「五箇山の魅力」が美しい写真の数々とともにストレートに伝わってきた。

 この日は講演会に引き続き、本校伝統の校内マラソン大会が4年ぶりに開催された。過去3回はコロナや雨天により中止となっていたため、私にとっても今の生徒らにとっても初めてのマラソン大会となった。私は生徒の最後尾からスタートし、男子8㎞コースを何とか走り抜くことができた(ちなみに女子は4㎞)。当日、出場した生徒全員が完走を果たしたことは、本校の新たな歴史の第一歩になったと私は勝手に思っている。