この春、宇宙に関するニュースが相次いだ。2月末、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が14年ぶりに実施した宇宙飛行士候補試験の結果を発表し、4,127人の応募者の中から2人の候補生が選ばれた。一人は、史上最年長の諏訪理(まこと)さん(46歳)、もう一人は最年少タイの米田あゆさん(28歳)だ。宇宙への憧れは誰にでもあると思うが、それにしても2,000倍を超える超難関を突破した二人には頭が下がる。

 米田さんの記者会見をニュースで見たが、宇宙飛行士を目指したきっかけについて「小さい頃、父親からもらった向井千秋さん(日本人初の女性宇宙飛行士)の漫画の伝記を読んで、向井さんが宇宙から地球を眺めて感動している様子に感銘を受けました」と語っていた。近い将来、宇宙飛行士候補試験の合格者の中から、「漫画『宇宙兄弟』(作:小山宙哉)を読んで(アニメで見て)宇宙に行きたいと思いました」と答える人が出てくるかもしれない。

 そんなことを考えていると、3月に入ってJAXAの「H3ロケット」の打ち上げ失敗のニュースが流れた。こちらはエンジンの点火装置やバルブを駆動させる電気系統でショートが起こったのではないかと後日報道された。そして4月、ispace(アイスペース)という宇宙ベンチャー企業の月着陸船が、月面着陸の直前で通信が途絶え(多分、月面に衝突か)、民間初の月面着陸に失敗したというニュースがマスコミを駆け巡った。

 人類が宇宙に行き、月に降り立ってから既に長い年月がたつが、これまでも数々の失敗と幾多の犠牲を払ってきている。誰でも気軽に宇宙旅行を楽しむとか、さまざまな星に遊びに行くという時代はいつかやってくるのだろうか。確かアニメ『宇宙兄弟』のエンディング曲の一つに「グッバイ・アイザック」という秦基博の楽曲があったと記憶している。この曲の歌詞はとにかく前向きで、苦しいときや落ち込んだときに背中を押してくれる。「未だ見ぬステージへ 壊せ 君を閉ざす殻」。失敗の後にこそ成功が待ち受けていると信じたい。