3月も残りあとわずか。ここ五箇山は山肌に若干雪が残っているが、昨年に比べ早い春を迎えようとしている。この時期は学校にとっては人事異動の季節。本校を離れることとなった教職員の方々とのお別れの日も近づいてきた。また、2年半にわたり本校の清掃・除菌などの作業に来ていただいたコロナ対策のスクールサポートスタッフの方ともこの3月でお別れとなり、いっそう寂しさがつのる今日この頃だ。

 24日の3学期終業式では、「心が変われば人生が変わる」という言葉について生徒に話した。正確には「心が変われば行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる、習慣が変われば人格が変わる、人格が変われば運命が変わる、運命が変われば人生が変わる」という言葉で、かつて星陵高校の山下監督が松井秀喜選手に贈った言葉として有名だ(もとはアメリカの心理学者ウイリアム・ジェームズの言葉とも、ヒンズー教の教えとも言われている)。

 この一年間、本校の生徒を見ていて少し気になったことがあった。それは、自分に対して自信のもてない生徒、他人の目や言動を気にして周囲とうまくやれない生徒、自分と合わない人とは関わろうとしない生徒など。言い換えると、自己肯定感や自己有用感の低さ、他者への配慮や思いやりの欠如ということになろうか。もちろん多くの生徒は素直で前向きなのだが、まだまだ「大人」に成りきれていないなと感じている。

 心が変わるとは、自分や周りの人達への心の持ちようが変わること。自分を思いやり、周りを思いやること。すなわち「自分にも他人にも優しくすること」に他ならない。厳しい冬から暖かい春へと季節が移り変わるこの春休み、生徒の皆さんも心の持ちようを少し変えてみてはどうだろうか。お世話になった先生方や卒業していった先輩らといつかまた「胸を張って会えるように」。