高校生にお馴染みの資格試験といえば、英語検定や漢字検定が定番だが、「世界遺産検定」という資格試験があることをご存知だろうか。世界遺産検定は、人類共通の財産である世界遺産を通して、国際的な教養を身につけ、持続可能な社会の発展に寄与する人材の育成を目指した検定だ。NPO法人世界遺産アカデミーが年4回開催しており、小学生からお年寄りまで幅広い年代の方々が挑戦している。

 世界遺産のお膝元・南砺平高校では、毎年12月、希望生徒を対象に学校を試験会場として世界遺産検定に取り組んでいる。受験する級には、マイスター、1級から4級まであり、例えば3級だと、世界遺産条約の理念や代表的な世界遺産の価値について、日本の全遺産及び世界の遺産100件からの出題(マークシート方式)となる。本校生徒は、各自のレベルに合わせ、4級から2級までのいずれかに挑戦。実は昨年、(初めての挑戦だったが)私も生徒に混じって2級を受験し、何とかぎりぎりで合格した。

 2級の出題範囲は世界遺産条約の理念、日本の全遺産と世界の遺産300件で、勉強していてあらためて気づいたことがあった。オーストラリアの代表的な世界遺産「ウルル、カタ・ジュタ国立公園」の「ウルル」(夕日を受けて赤く染まることで有名な強大な一枚岩)という呼び方である。確か昔は「エアーズ・ロック」と呼ばれていたが、1980年代から先住民アボリジニの呼び方である「ウルル」に呼び方が変わったとのこと。そう言えば、今年ウクライナの首都がキエフからキーウに変わったことも記憶に新しい。

 ウルルで思い出したのが『世界の中心で、愛をさけぶ』(通称セカチュー)だ。20年ほど前、片山恭一の小説が漫画、映画、TVドラマにもなり一大ブームを巻き起こした。この「世界の中心」こそウルルであり、中でもTVドラマ(主演:山田孝之・綾瀬はるか)での映像が主題歌「かたちあるもの」(柴咲コウ)とともに脳裏に焼き付いている。当時、主人公サクとアキの純愛、アキの死、サクの喪失感に涙した方々も多かったのではないか。