秋も徐々に深まり、朝夕はもはや寒いくらいだ。先日の朝刊に、砺波市在住の写真愛好家が撮影した「オリオン座流星群」の流星の写真が掲載されていた。記事によると、10月20日午後11時頃、コスモスがゲレンデを彩る「となみ夢の平スキー場」で撮影されたもので、ピンクのコスモス畑の上空に一筋の流星がきれいに映し出されていた。

 オリオン座流星群は、毎年10月下旬、オリオン座とふたご座の境界付近を中心に広がるように現れる。今年は10月22日未明に活動のピークを迎えたようである。富山市科学博物館によると、県内では多いところで1時間に15個程度の流れ星が観測できたということで、皆さんの中にも流星を目にした人もいたのではないか。

  私自身、昔はよく星を眺めていたが、いつ頃からか星空を見つめることが少なくなった。目が悪くなり、星がはっきり見えなくなったせいもあるが、夜の街が明るくなって、星もぼやけてよく見えなくなったせいもある。昨年から南砺平高校に通うようになり、周りに明かり一つ無い道を車で帰る途中、ふと見上げた空に眩いばかりの星が無数に輝いているのを目の当たりにして、忘れていたものを思い出したような気分になった。五箇山は夜も素敵なところなのだ。

 ところで、今から50年前の1972年10月、ジャコビニ流星群(現在はりゅう座流星群)が13年に一度の地球大接近ということで、当時大きな話題になった。後にユーミンが『ジャコビニ彗星の日』という曲を世に送り出したが、歌詞にもあるとおり(「月をすべる雲と柿の木揺れてただけ」「シベリアからも見えなかったよと」)、72年の10月9日は全国的に天候が悪かったのか、翌朝の新聞には期待外れの見出しが並んだそうだ。秋の夜長、たまには夜空を仰ぎゆっくり星を眺めてみてはいかがでしょうか。